賃貸管理・募集改善
退去確認に備える入居時の写真と設備記録
退去時の状態を確かめるには、入居時にどこまで確認したかが分かる記録が役立ちます。写真の撮り方だけでなく、場所との対応、設備表、双方での確認手順を整理します。
公開・内容確認:2026年9月28日 発信:ValueUp岡山
退去時に比べられる記録を入居前に作る
貸出物件の傷や設備の状態は、入居時に借主と確認して記録を共有しておくと、退去時に何が変わったかを確かめやすくなります。写真を大量に撮るだけでは、場所や時期が分からず比較に使いにくいため、部屋・箇所・撮影日を結び付けて残しましょう。
国土交通省の原状回復ガイドラインは、入退去時の物件の状態確認と、契約条件の相互理解をトラブル予防の対策として挙げています。記録を残す目的は、当時の状態を後から確かめることであり、写真だけで費用負担を自動的に決めることではありません。
全体写真と詳細写真を一組にする
各部屋を同じ順番で確認し、部屋全体、壁・床・天井、建具、設備を撮ります。傷や汚れがある部分は、その場所が分かる写真と、状態が分かる近い写真を組み合わせます。反射や影で分かりにくいときは向きを変え、画像加工で傷の見え方を変えないようにします。
写真番号を簡単な間取りメモに書くと、どこを撮ったか探しやすくなります。例として「居室A・入口側の壁・写真A03」のように名前をそろえます。これは管理用の付け方の例で、決まった公的様式ではありません。原本画像を保管し、共有用の画像と区別してください。
状態確認表で未確認も残す
| 欄 | 書き方の例 |
|---|---|
| 場所・物 | 居室Aの入口扉、洗面台の下部など |
| 確認日 | 撮影日と、立会いで確認した日 |
| 状態 | 傷・汚れの位置、開閉時の様子、確認できた範囲 |
| 対応 | 補修済み、補修予定、現状を説明、未確認 |
| 参照 | 写真番号、工事記録、借主からの申告記録 |
未確認を空欄のままにすると、不具合がないという意味に読み違えられます。家具の裏を見ていない、通電していない等の事情を明記し、後で確認する担当と時期を決めてください。
設備は設置情報と動作確認を分ける
エアコン、給湯設備、照明等は、型式や設置場所、リモコン等の付属品、説明書の有無を記録します。型式が分かることと、全ての機能が正常に動くことは別なので、確認した操作と実施日、確認していない機能を分けます。
借主の持込み品と、貸主側で用意する設備が混ざらないよう、契約・設備表と照合します。故障時の連絡先や修理相談の窓口を案内し、入居後に発見した不具合をどのように報告してもらうかも共有しましょう。
双方で確認し、修正履歴を残す
記録は所有者だけの控えにせず、管理会社を通じるなどして借主と確認する機会を設けます。借主から補足があれば、受け取った日、内容、確認結果を追加し、元の記録を無言で上書きしないようにします。提出方法や確認期限を決める場合は、契約等との関係を管理会社へ確認してください。
退去時は、入居時の資料と退去時の状態を箇所ごとに比較します。国のガイドラインでは通常の使用による損耗や経年変化を考慮するため、傷の有無だけで一律に請求できると考えないようにします。原因や費用の対象範囲について疑問がある場合は、記録と契約書を示して専門家へ相談しましょう。